Workshop

 夜尿症の頻度は7歳で10%、10歳で5%とされており、小学校の1クラスに1〜4人程度いるので、かなり多いといえます。高学年になると、林間学校や修学旅行などの宿泊行事があるため、本人や保護者にとって切実な問題となります。また、保護者間での情報交換もほとんどなように感じられ、不安を募らせている現状があります。そこで夜尿症(おねしょ)について家庭での対応、医療、宿泊行事の対応など、基本的なことについて講演会を実施しました。

 世界的な異常気象により、日本でも豪雨が頻発しています。また、いつか来るであろう南海トラフ地震や首都直下型地震に対しての備えも不可欠です。医療においてはコロナ後は災害医療が重要なテーマのひとつとなりますので、自治体との協力関係はとても重要です。2024年7月12日に鎌ケ谷市と鎌ケ谷市医師会の共催で災害医療への取り組みやトリアージ訓練等の研修会が実施されました。訓練の雰囲気を知ってもらうための動画を作成しましたので、今回未参加の方は参考にしてください。「令和6年度鎌ケ谷市災害医療救護活動研修会」からお入りください。

 今年度も東部小学校、北部小小学校、鎌ケ谷中学校、第5中学校においてエピペン講習会を行いました。市内13校(公立小中学校)を毎年、4校ずつ輪番で実施しています。特に新しいテーマがあるわけではありませんが、いざという時に慌てないよう、関心が薄れないよう、繰り返し行うことが大切だと考えています。

 2021年鎌ケ谷市学校保健会総会での講演のために準備したスライドですが、新型コロナウィルスの全国的流行により中止となりお蔵入りしてしまいました。学校保健における鎌ケ谷市医師会の役割、その中でも中心となる健診と検診、学校管理下における突然死(心臓震盪など)についてお話しする予定でした。

 鎌ケ谷市医師会が運営する鎌ケ谷市PCR検査センター(仮称)は「鎌ケ谷セントラルクリニック」として診療所登録をし、順調に稼働していることやその実績についての報告、また新型コロナの蔓延に備え、千葉県が推進する診療所単位の診療体制、いわゆる発熱外来についての詳細、さらに行政検査に関連した新たな診療報酬請求などについて2回目の講習会を行いました。

 平成31年(2019年)12月、中国において原因不明の肺炎の集団発生が報じられ、瞬く間に世界中に拡大し、パンデミックを引き起こしました。この病原体は新型のコロナウィルスと判明し、後にCovid19と命名されています。この感染症の臨床像を中心に、発熱外来の意義と運用、個人防護具の使い方、院内感染対策、消毒の基本など、医師会主催の講習会を実施しました。この感染症の実態が不明で、政府としての管理体制も未確立な中の講習会となりました。

 学校管理下における食物アレルギー対応はとても重要な課題となっています。注目されるきっかけとなったのは、平成24年に東京調布市の小学校で起こったアナフィラキシーショック事故(女児が死亡)であり、平成27年からはアレルギー疾患対策基本法が施行され、その義務を学校(教育委員会)が負うことになりました。食物アレルギーの現状を概説し、日本独自の文化といえる学校給食についても触れました。

 近年、学校管理下において、年間40件程度の突然死が全国で発生しています。そのうち約7割が心臓系突然死と考えられ、学校教職員には救命措置(心肺蘇生)を含めた速やかな判断と対応が求められています。自動体外型除細動器(AED)が急速に普及しており、鎌ケ谷市においても全ての小中学校に設置されています。これらが有効に活用されるためには適切な設置場所、正しい使用方法、メンテナンス(バッテリー切れなど)が大切です。今年度の第1回医科研究協議会において、各校の養護教諭に再確認のための講習を実施しました。今回はAEDに関する話が中心でしたが、今後は心肺蘇生の実際についても講習を行いたいと考えています。

 学校健診は学校保健安全法に規定される小中学校の定期健康診査で、年に1回の実施が義務化されています。平成28年(2016年)4月より新たに運動器検診が導入されることになり、医師会の学校医を対象に講習会を行いました。

 近年増加傾向にあり、社会問題化して久しい児童虐待について概説します。また、最も深刻な状況に陥りやすい身体的虐待のケースプレゼンテーションをしてみます。基本は「親の親権より子の人権」です。関連事項として世代を超えて連鎖する虐待の本質について、また、ネグレクトを含む過酷な家庭環境が生んだ日本では珍しい解離性同一性障害(多重人格)のケースをお話ししてみます。画像も掲載しておりますのでご覧ください。